注文住宅完成までの流れ

基礎知識

出来合いの家を買う建売とは違い、注文住宅は検討から家が完成するまでには結構時間がかかり、やることも多いもの。初めて注文住宅を購入する方は、そもそもどうしたらいいかわからないかとも多いはず。

今回は、注文住宅の検討から完成までの大まかな流れを説明したいと思います。

STEP1. 暮らしのイメージ作りと予算検討 (1ヶ月〜1年)

暮らしのイメージ作り

まずは、「どのような暮らしをしたいのか」という理想の住まいのイメージを思い描くことからはじめましょう。「職場に近い都心を中心に生活するのか、子育てを優先して広い土地が望める郊外にするのか」などや、部屋の数、両親との同居スタイルなど。

例えば以下のような点を参考にイメージを作ると良いでしょう。

  • 子供が何人、親との同居などの将来設計
  • 住みたいエリア
  • 通勤・通学時間の許容範囲
  • 駅からの距離
  • 建物のイメージ(性能やデザイン、部屋の広さや庭のイメージ、その他こだわりなど)

予算検討

同時に、予算をどのくらいにするのか考える必要があります。

土地、建物、諸費用、家具家電の購入や引っ越しまで含めて、全体でどのくらいの予算を確保できるのか、大まかに予算の目処をつけましょう。

住宅ローンを借り入れる予定がある場合、金融機関のホームページなどで借入額、返済額のシミュレーションが行えるので、それらを参考にするのもよいと思います。

なお、注文住宅は建売住宅と比べそれなりに高くなります。一定の住宅性能を担保しようと考えると、私の肌感だと30-35坪程度の一般的な建物&外構で3000万前後はかかると思います(仕様による金額差は大きいので一概には言えませんが)。

建売の価格を基準に予算を組んでしまうと破綻する可能性が高いので、支払い能力を基準に考えましょう。

STEP2. 建築会社・土地探し(1〜6ヶ月)

具体的エリアの検討

全体の予算が決まったら、土地に割ける金額を算出し、具体的に土地探しをはじめます。

まずは、SUUMOHOMES などで住みたい地域、路線の相場を調べ、イメージしている広さや条件に合う具体的なエリアを絞ってみましょう。

ある地域で条件検索しても、土地が一つしか見つからない、変な土地しか見つからない場合、そこには予算に合う土地がないと考えたほうが良いでしょう。また、少し条件を緩めてみると見つかることもあるので、何が必須条件で何が譲れる条件なのか、優先順位付けは予め行っておきましょう。

また、相場より安くて一見お得に見えても、家を建てる際実はコスト増になる要因をはらんでいる土地(古家付き、要整地、要擁壁工事など)もありますので、それらを見極めるために

建築会社探し

候補エリアが絞れたら、不動産会社に行って具体的な土地探しをする前に、建築会社を探します。

土地は、相場より安くて一見お得に見えても、家を建てる際実はコスト増になる要因をはらんでいる場合が多々あります。(古家付き、要整地、要擁壁工事など)

このあたりは、土地の売買のみしている不動産屋では判断できないことが多いため、建築会社と相談しながら土地を探すのが得策です。

具体的に土地探しを手伝ってくれるかは建築会社によると思いますが、少なくとも施主が損をしないよう(適切に建物にお金をかけられるよう)相談に乗ってくれると思います。

建築会社の探し方については、また別の記事にてご紹介したいと思います。

土地探し

建築会社が決まったら、土地探しを本格的に行います。

建築会社が紹介してくれた土地や、不動産会社を中心に探すのが良いと思いますが、それらがない場合、自分で不動産会社

私の場合、Google マップでそのエリアの不動産会社を調べ、レビュー評価の高かった不動産会社で土地を探しました。結果、満足のいく土地が見つかったので、不動産屋のあてがない場合、Google マップのレビューはおすすめです。(必ず保証できるものでもありませんが)

STEP3. 土地・住宅ローンの契約(1〜2ヶ月)

住宅ローンの検討

土地探しと並行して、住宅ローンの検討を行います。

金利の低い住宅ローンが理想ではありますが、特に土地から探す注文住宅の場合、支払いタイミングの問題、申込書類の問題から、選べる住宅ローンに制約が出てきます。(ネット銀行系のローンは使えないと思ったほうが良い)

住宅ローンの申込は1つに絞る必要はない(むしろ1つだと審査に落ちた場合に大変)ので、自分が良いと思うものいくつかをピックアップしておきましょう。

また、建築会社や不動産会社が住宅ローンを紹介してくれる場合もあるので、そちらを検討するのもありだと思います。

注文住宅における住宅ローンの選び方については、また別の記事にて紹介したいと思います。

土地の仮押さえ

コロナ禍で戸建て用の土地の人気が上がり、良い土地はすぐになくなってしまうので、いざ良い土地に出会えたら迷うことなく申し込みを行いましょう。

住宅ローン審査

土地の申込みを行ったら、住宅ローンの仮審査に申し込みます。

仮審査が通らないと、契約に進めませんのでいくつかの住宅ローンの仮審査に申し込みましょう。

土地契約

土地の申込みが受理され、住宅ローンの仮審査も通ったら、土地の契約に進みます。

土地の契約の際、手付金として契約額の3〜10%程度のお金が必要となります。このお金は住宅ローンの契約前に支払うものになりますので、自身での資金準備が必要です。

また、住宅ローンの本審査を同時並行で進めます。必要な書類は住宅ローンにより異なりますが、不動産会社、建築会社と相談しながら書類を準備しましょう。期間的には結構シビアなので、最優先で本審査申し込みを行いましょう。

実際の土地のお金の決済は、契約から1ヶ月程度あとに設定されることが一般的です。住宅ローンの審査を考えると、可能な限り後ろ倒しにすることが理想ですが、あまり後ろ倒しにしようとすると、他の人に契約を回されてしまう可能性もあるので注意が必要です。(肌感は不動産会社に相談しましょう)

住宅ローン契約

住宅ローンの本審査が通ったら、契約する住宅ローンを決定します。

住宅ローンが決まったら、不動産会社と相談して実際の支払い実行日を決定します。

決済の実行は、ローンを契約した銀行の支店にて、売り手、買い手、銀行の三者が集まって行うことが一般的です。

STEP4. 間取りプラン・見積もりの提示(2〜6ヶ月)

土地が決まったら、間取りプランや各種仕様、設備をどのようにするかなど、細かい点を決定していきます。

STEP5. 工事請負契約(1ヶ月)

建物の仕様が決定したら、やっとここで建築会社との本契約となります。

工事請負契約の後にプランの変更が発生したら、変更契約を結ばないといけません。建築確認の申請後には変更ができない部分もあるため、事前にどこまで変更が可能なのか確認しておく必要があります。

STEP6. 各種申請・着工(1〜3ヶ月)

契約後、建築会社が行政や民間の指定確認検査機関に建築確認の申請をして、確認審査を受けます。また、住宅によっては長期優良住宅認定の申請をする場合もあるでしょう。
申請が通ったら、工事の開始となります。

一般的には工事の開始時に、工事請負金額の30%程度を建築会社に支払います。

建築中は業者に任せきりにするのではなく、現場へ足を運びましょう。施工状況を確認したり、業者さんとコミュニケーションをとったりする事で柔軟に対応してもらえたりする場合があり、おすすめです。

STEP7. 完成・引き渡し(4〜8ヶ月)

注文住宅が完成したら、完了検査を受けて検査済証の発行を受けます。検査済証は、建築確認申請に沿って住宅が建てられていることの証です。引き渡しの前には、建築会社の立会いのもと、設備や内外装への傷や不具合などがないことを確認します。

引き渡しが完了したら、いよいよ引っ越しとなります。

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